今から8年程前、私は数人の男性からプロポーズをされた。
4年に渡る同棲生活をしていた私には、とても信じ難いような光景で
まんねりし始めていた私達には、人生の転機ともいえる状況であった。
とても烏滸がましい言い方をすれば
その中で、私が選んだのが
今の夫である。
何も持っていなかった。
裕福でもなければ
将来性だって怪しいものだった。
何故私が彼を選んだのか
それはきっと・・・
何にも変えられないものを
彼だけが持っていたから。
愛する事より
愛される事を知っている事。
信じる事より
信じられる事を知っている事。
その人の愛は何より大きく
その人の信頼は何よりあつい
だから
私の父は
彼にプロポーズをしたのだ。