Phot:by Nao

新しい道

実を言うと、このHPをリニューアルしている時、出来上がった、と早とちりをした私は、次々にアップし、そしてその時一緒に『あるもの』もアップしていました。
それは、BBSにあったご好意で、『君へ』と題された、長い長い手紙でした。

私の元恋人でありながら、腐ったような赤色の、太い太いロープか何かで繋がれている、親友からの手紙。
彼から直筆の手紙が届いた時、私は正直、ここにアップさせる為に書いてくれたものだと思い、そして誤字雑字(笑)を訂正しながら、ほんの何日か、『Me』にアップさせたのです。

でも、いくら彼の意向だからといって、やはり人からの手紙を載せる、というのは気が引けて、即削除してしまいました。

彼に対する想いは、年々変わって行きます。
存在そのものが、許せない男だと思っていた頃もあったせいか、年々、彼への想いは穏やかになり、今では彼のような男が、本当にイイ男なんだと、そう思えるようになりました。

彼は手紙で、こんな事を書いてくれました。
「人は、知らない事を疑ったりしない。1を知って始めて、10をも知りたいと思うのよ」
その言葉に惚れた、と。
これは、まだ10代で、世間知らずだった私が言った言葉でした。
私は手紙を清書しながら、自分に問いかけてみました。今でも、そんなに懐深い?と。
人は大人になる度に、色々な事を経験し、または見聞きし、自分でも気付かない内に『1』というものを既知してしまう。そして自らを保守する為、疑り深くなるのだと、今では思います。
ただ、10代の頃のように、相手の事を心底信じ、信じられそうにないものには、眼を閉じて、見ない振りをする。そんな我侭な強さも、今の私には欲しいものの1つだとも思いました。

そしてもう1つ。
「自分らしく生きて欲しい」ということ。
私にとってこれは、一番難しい課題です。
我侭に、マイペースに生きたくて、選んできた道の上に、私は立っているけれど、現実は甘くはなく、名ばかりの自由に縛られ、自分を見失っているのが現状です。
「肩の力を抜いて、自分らしくいて欲しい」きっと伴侶も友人もそう思っている。
彼の言葉は余りにも的をついていて、もう一度、自分の道の修復作業をしなければ、と思っているところです。

何処に居ても、心の何処かにお互いの事があり、気に留めている。
そんな素晴らしい関係を、私は本当の友情だと思っています。

彼は『自分らしく』いる為に、この住み慣れた日本を離れ、未知の世界へ旅立つ事を決めたのでしょう。
羨ましい、と同時に、彼の『我侭な強さ』に脱帽の思いです。

思えば、私の周りには、良い男、という人種が沢山いるように思います。
それは言葉を悪くすれば、『単なる良い人』なわけで、それ以上でもなければ、それ以下でもない。
『イイ男』と文字分けするのには、それなりの理由があって、自分にとって『イイ男』なのか、皆にとって『良い男』かの違いがあるのです。

そして彼は、間違いなく『私にとって、イイ男』になりました。
恋愛期を経て、友情をあたため、そして互いを認めあい、今に至る。

彼は、それこそ絵に描いたようなバカボンド(風来坊)でありながら、心の広さや深さを、私は一度だって疑った事はありませんでした。

このページをアップする頃には、もう彼はネットを使える状況にはいないことでしょう。
こんなにも愛すべき人が、側にいないことを寂しく思う以上に、彼が行く新しい道が、私の前にも広がっているように思えてならないのは、きっと疑うべくもない深い愛情の賜物だと、思っています。


Where there is a will, there is a way.

2002.10.28

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