泣きたかった
無性に泣きたかった。
暗い音楽でも聞いて
周りなんて気にせずに
思いっきり感傷に浸って
悲劇のヒロインみたく
思う存分泣きたかった。
幸か不幸か、私にはそれができなかった。
1人じゃない事の孤独。
自分の気持に蓋をする
1人じゃない事の孤独。
あの頃と同じように
今回もまた、泣く事さえできなかった。
そうやってまた
傷口が瘡蓋になるまで放っておく
私の悪い癖。
ならば瘡蓋が自然と剥がれ落ちるのを待てばいいのに
大きくなった瘡蓋を自らの手で剥ぎ取る
私の悪い癖。
泣きたい時は
泣けばいいのに
そうすれば、小さな傷で済むのかもしれない。
そうすれば、傷は案外早く癒えるのかもしれない。
だからあなた
泣きたい時は
思う存分泣けばいい。
周りなんて気にせず
思いっきり泣けばいい。