「あれ、何に見える?」
公園の芝生に寝っ転がり、何時間も空を見上げ、雲の形を何かに例える。
幼い日の私は、雲を何かに例えるのが、とても下手だった。
「え゛〜〜〜」
幼馴染みから、批判の言葉を、しかも濁点付きで言われる度
私は、とても傷付いたものだ。
先日久方ぶりに逢った幼馴染みの間で、話題はそこに集中した。
「芸術家になったのは、とても納得だった」
それを賞賛の言葉と取るか、単なる変人扱いと取るか
私は複雑な思いで笑っていた。
しかし10人10色の感性
例え他の9人に馴染めなくとも
例え誰にも理解されずとも
私は1コの感性を大切にしたいと願っている。