私は自宅で仕事をしている。
言葉にせず、声にも出さず、ただ黙々と、ものを創る。
独りで仕事をしていると、心の端々に言葉がこびり着いてくるようだ。
私にはサラリーマンという職業が勤まらない。
たった1年の間に3〜4社も会社を替え、とうとう就職するのを諦めた。
毎日同じ時刻に、同じ道を辿り、同じ場所に着き、同じ人達と顔を合わせる。
下げたくもない頭を下げ、笑いたくもないのに笑う。
この世で一番過酷な仕事だ、と気付いた時、私はもうそこには居られなくなった。
友人達は言う。
羨ましい・・・
そんな我侭が罷り通るのは、ほんの一部の人間だけだ、と。
自分の気持ちに正直に生きるのは、身勝手で我侭な生き方なのかもしれない。
しかし私はいつも自分に言い聞かせる。
これは私の人生だ。
誰も代わりに生きてはくれない。
誰も、私の気持ちを代弁などしてはくれない。
例え同じような気持ちの人が言葉にし、形にしたとしても、それは私のものではない。
私の人生、自分で生きて何が悪い。
10年前、目の前に敷かれていたレールに背を向けた。
それ以来、私は私の人生を、自分で選び続けている。
自分の人生を自分で生きていくようになって、私は自由を手に入れた。
それと同時に、私は不安定な生活と孤独をも手に入れたのだ。
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