Phot : by Hir
花 火
私はこれまで、打ち上げ花火のような恋をしてきた。
ボンッと派手に打ち上がっては、儚く消えて行く。
淡々とした恋より、虚しく
長く続いた恋より、あっさりしている。
まるで夢を見ていたかのようだ。
恋をしている時、私の周りには人集りができる。
そして、一つの恋が終わると、もうそこには誰もいない。
激しく打ち上がる炎の幻影に、気を取られ過ぎていたのだろうか。
でも・・・
もう暫くはこうしていよう。
新しい季節の空に、再び炎が舞い上がる日まで。
暗闇でしか観る事のできないもの
静寂でしか聴く事のできないもの
目を凝らして
耳を澄まして
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