Phot:by Nao

ラビリンス

自分の居場所を探していた。
探しながら、方向音痴の私は、道に迷ってしまっていた。
二進(にっち)も三進(さっち)もいかなくなり、私は始めて足を止めた。
辺りを見渡すと、不可思議な世界に、いる事に気がついた。
そこはとても不思議な世界。

しかし、その場所には記憶があった。
以前、足を踏み入れたことのある記憶。

眼を凝らしてみる。
前へ前へと進んできたはずなのに、確かに見覚えのある景色。

夢から醒めるように、私は気がついた。

そこは、やっとの思いで抜け出したはずの場所。
そこは、私を何年もの間苦しめ続けたはずの場所。

そうか、私はまたここへ戻ってきてしまったんだ。
一度足を踏み入れると最後、抜け出そうにも抜けだせない、終わりなき迷宮に。

2002.12.11

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