Phot:by Nao

盆休み、渋滞を避けようと高速にのらず、丹波方面へと車を走らせた。
神に届けと唄われる、奄美大島の民謡を聴きながら走る田舎道。私達は眼前に広がる、果てしない空に心を奪われた。

私とレディは、吹き込む風に身を任せるように、心地よいドライブを満喫していた。

その時、突然
「あれ何だ!?」
と、本日の運転手が大声をあげた。彼の指差す方向を見ると、ほんの小さな虹が出ていた。
私はカメラをフロントガラス越しに構え、追いかけて!と叫んだ。

1台の車もすれ違わない程の田舎道、私達は小さな虹を、夢中で追いかけていた。
もっと近く、もっと近く・・・

♪近付いた〜ら、逃げちゃったぁ〜♪

子供の頃からそうであった。
何故か虹を見ると追いかけてしまう、変な性分の私。

空気中の水滴がプリズムとなり、太陽の光が屈折してできる、虹。
自分が動いてしまうと太陽の反射角度が変わるから、見えなくなってしまうのに、その事実を知った今でも尚、追いかけてしまう。

一瞬しか見る事のできなかった虹は、恐らく『幻日』と呼ばれるものだと後で知った。

「何だったんだろうな・・・」
「奄美大島の民謡が効いたかなぁ」
「じゃぁ、もう一回かけてみよっか」

私達は大音量で流れる民謡の中、ゆっくりと車を走らせた。
もう一度、幻が現れますように、と祈りながら・・・
今度は追いかけません、と誓って・・・

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